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2017/12/14update
杉浦淳吉
このページは，2018年度のゼミ案内（慶應義塾大学文学部社会学専攻）として作成しています。杉浦ゼミの入ゼミに関する公式情報を提供しています。このページの更新情報は，杉浦のTwitterでも提供します(適宜参照ください）。なお，このページは杉浦個人が開設しているページで大学のサイトではありません。
関連ページ： 杉浦淳吉研究会 ゲーミング紹介 文学部の入ゼミ情報ページ
2017年10月24日
プロジェクト計画書 11月1日(水)～12月6日(水)16：00(厳守)の期間にメールで提出
面談 12月8日(金)～15日(金)の間の指定された時間
結果の通知 12月15日(金)までに，本人に直接メール等で連絡します。
メール送信先 jsugiura あっと flet.keio.ac.jp
入ゼミ案内最新情報 本ページ
※常に最新情報を参照するようにしてください。
ゼミのテーマに関連した研究プロジェクトにゼミ活動としてかかわり，その活動成果を卒業論文としてまとめます。研究プロジェクトとは，個人または共同で研究活動を進める活動を指します。5期生までの活動で作り上げられてきた既存の研究プロジェクトや，ゼミのテーマに関する新たなプロジェクトを構想し，活動を行います。各プロジェクトは，メンバーが主体的に時間を設定し，活動を行います。ゼミの時間（火曜4.5限）は，各プロジェクトを統括する全体会議，および関連する実験や学習の場として位置づけます。各プロジェクトはそれぞれのメンバーが中心となって活動を行いますが，ゼミのメンバーはプロジェクト相互に協力しながら進めます。こうした活動方針や以下に掲げる研究テーマに賛同し，共に活動できる方1０名程度を募集します(いわゆる「兼ゼミ」はいっさい認めない)。
社会的課題に関心をもち，その解決を探求したいと考えている方，フィールドワークで積極的に動ける方，統計分析をある程度使いこなせる方，英語の文献購読に気後れしない方を歓迎します。
これまで一貫して扱ってきた大きなテーマは，
ゲーミング・シミュレーションによる社会心理現象の理解と課題解決
です。特に2018年度からの6期生は以下の大きなテーマを設定し，ゼミ活動を行います。
気候変動問題に関する社会的コンフリクトの分析と解決方法の提案
このテーマに関連する内容ついて，ゲーミング・シミュレーションを主な手法としたゼミの活動を行い，その成果を卒業論文としてまとめていきます。気候変動問題に関するコンフリクトといっても，マクロな問題から，個人や集団といったミクロな側面で様々な現象があります。一見関係がないと思われることでも，この問題に位置づけられることは沢山あるでしょう。個々の関心にもとづいて発想し，このテーマに関連づけられるかを問いたい，というのが狙いです。これまでゼミで行ってきたプロジェクト・卒論も，このテーマと関連づけられるものであり，そこへの継続的参加についても歓迎します。
気候変動問題は様々な観点から検討できる問題ですが，ここで取り上げることの趣旨は次のようなことです。地球上の人々の活動によってこの問題が起きてきており，その結果として私たち自身が様々な影響・制約を受けることになる社会的ジレンマです。その解決に向けて，ライフスタイルを変えたり，経済的な負担が強いられたりします。しかし，気候変動の影響は地域によって異なっており，国際的な合意も難しくなってきます。そこには様々なコンフリクト(葛藤)があります。問題解決に向けて行動すべきだが個人の自由が制約をうけたりはしないかという葛藤もあれば，原因をつくっている人たちがいるのだから，そういう人たちが対処すべきだという葛藤もあります。
以上のような社会における様々なコンフリクトに対して社会心理学からどのようなアプローチが可能でしょうか。上に挙げた社会的ジレンマや合意形成の問題もそうですし，持続的な消費ができるような行動変容やそのための説得，経済的負担が強いられる際の経済格差の問題，社会的にどのようなルールが考えられ受け入れてもらえるか，といった問題など挙げればきりがありません。地球レベルでの大きな問題に直接こたえることは難しくても，その解決にむけて考えることはたくさんあります。これまで気候変動の問題をあまり考えたことがなかったということは，さほど問題ではありません。今まで何か社会的な課題について真剣に向き合ってこようとしたかどうかが問題です。関係のなさそうな問題どうしの関連を考えることで，何かを生み出していこうという姿勢がもてるかどうか，ということです。
この問題を分析し解決方法を提案するための方法としてゲーミング・シミュレーションを活用します。コンフリクトの分析には，社会心理学概論で扱った「クロスロード」も活用できます。今年の講義ではゼミ４年生による「パラスポーツ編」を扱いました。これであっても，多様な立場の存在や抱える問題を理解するという視点でグローバルな気候変動の問題と関連づけることもできるでしょう。同じく概論で扱った「リサイクルショップ」は，保有効果という観点から問題を考察することができます。次のゲーミングは「説得納得ゲーム」を扱いますが，これは気候変動問題への対処行動へのとりくみそのものです。環境問題の対処やリスクコミュニケーションという，これまでこのゼミで扱ってきたこともその一環といえます。
以上はほんの一例です。こんなことも関係あるのでは，という斬新なアイディアを期待したいと考えています。要は思考(興味の対象)が内向きにならず，グローバルな視点をもって取り組んでいただきたい，というのが今回のテーマ設定の趣旨なのです。
ゲーミング・シミュレーションという手法に関しては，ゲームのシステム(ルールなど）とコンテンツの両側面があります。ゲームを直接扱わないとしても，以上のようなテーマに関するコンテンツの分析や開発・評価も含まれます。まずは，自分がやりたいテーマを自由に考えてもらい，そこに大きなテーマ(気候変動)と手法(ゲーミング)との関連づけを考えて，以下のプロジェクト計画書を構想してみてください。
10月24日の説明会での説明内容，杉浦の個人HP，オープンゼミ，杉浦の担当講義などの情報をもとに，各自でプロジェクト計画書を作成し，12月6日（水）16：00までにメールに添付して杉浦まで送ってください。MS-Word(A4版)で作成のこと。表紙は不要，複数ページの場合はページ番号を振ること。受領し次第，確認のメールをお送りします。返信が確認できない場合は，改めてご連絡ください。
プロジェクト計画書の構成や分量は自由としますが，プロジェクト名を考えて計画書のタイトルとし，以下の3点を含んだものとしてください。応募者多数で選考を行う場合は，内容はもちろんですが，形式が守られていること，詳しく書かれていることを優先的に扱います。社会学専攻の「志望票」を所定の要領で提出して有効となります(一度提出したからとって志望を拘束するものではありません)。「志望票」の志望理由欄は，この計画書を参照する旨，記してください。
自己紹介や自己アピール，本ゼミのどのような点に魅力を感じて応募したかなど。
本ゼミの活動に関し，これまでに関心をもってきたことを説明してください。特に，広い意味での現実社会の問題とどうかかわり，ゼミで何を扱いたいのかを詳しく述べてください。また，これまで大学内外で何をどう学んできたかも，具体的な講義名や文献など具体的に参照しながら，説明してください。
ゼミで行っていきたい研究プロジェクト(既存のゼミのプロジェクトを含む)の構想を具体的に示してください。その際に，今後どのような文献を参照するか，どのような講義を履修していく予定かなど具体的に挙げながら，現時点での考えを説明してください。
プロジェクト計画は，実際にそのとおりに進めなければならないということではなく，むしろゼミで検討して皆で作り上げていくことなので，臆せず思い切った構想を披露してください。これまでのゼミ活動をご理解いただいた上で，新たな可能性を提案していただければと考えています。内容の設定に関してわからないことなどあれば，杉浦までご相談ください。11月中に計画書(草稿でも見ます)をお送りいただければ，内容に関してフィードバックします。それをもとに完成版を期日までに提出してください。
プロジェクト計画書について，原則として以下の日時・場所で質疑の機会を設けます。なお，この質疑には，ゼミのメンバーが参加することがあります。事前に入ゼミに関連して面談等行っている方については，以下の面談を省略することがあります。
日程・場所 12月8日(金)～15日(金)の間の指定された時間
場所 準備中
応募者には改めてメールで連絡します。入ゼミの可否については，12月15日(金)までに，応募者宛に直接メール等で連絡いたします。また，入ゼミ決定者は，4期生の卒論発表会，および終了後に懇親会に参加していただきます（日時・場所は検討中）。
5 その他，注意事項
当ゼミを志望していただく際には，特に以下の点をご理解いただいた上で応募してください。
① どのようなプロジェクトが実現可能か，相談に応じますので，杉浦やゼミメンバーまで遠慮なくお尋ねください。ゼミのメンバー同士で協力しあいながらそれぞれの研究を高め，新しいことを創造していくことに力点をおいてゼミ運営を進めていきたいと考えています。
② 他専攻・他学部の方は，メンバー間での情報共有のため，社会学専攻のメンバーと同じように科目を履修することを求めます。社会学専攻でゼミ担当者が担当する社会学専攻の必修科目（社会心理学概論Ⅰ/Ⅱ，社会調査Ⅰ/Ⅱ）および選択科目（環境行動論，リスクコミュニケーション論）を卒業までに履修する，あるいは単位取得と同等以上の学習を修めていると認められることをゼミ履修の要件とします。社会学専攻の方は「環境行動論」と「リスクコミュニケーション論」は必ず履修することを要件とします。
③ ゼミのテーマに関連させ，実証研究に基づく卒業論文を作成します。社会学専攻の特色から，個別の方法論を体系的に学ぶには，ゼミにおいてある程度集中して研究方法にかかわるスキルを獲得する必要があります。本ゼミでは，ゲーミング・シミュレーションを中心に据え，実験法，調査法，観察法，インタビュー法など，目的に応じて研究手法を習得し，卒論を作成していきます。
④ 研究プロジェクトは，ゲーム分析，フィールドワーク，テーマに関する文献購読といったプロジェクト活動を立ち上げ，その活動時間を各自で設け，プロジェクトの実践を行います。その活動は，ゼミ講義時の一部を用いることもあります。また，それぞれのプロジェクトは全体ミーティングで報告し，その活動を共有していきます。
⑤ ゼミの講義時間では，既述のように，プロジェクトの全体会議，個々のプロジェクト報告，プロジェクトに関連した実験，文献購読などを行います。メンバーが一同に会する場であり，研究構想や成果の発表と討論，プロジェクトの打合せ，卒論作成に関するゲーミング実験などを行い，卒論に直接つなげられるにしていきます。（実際にゼミの時間に実験を行う）。
⑥ ゼミ合宿は必須とします（4月に日程を決定します）。万一ゼミ合宿に参加できない事態が生じた場合は，不参加者がミニ合宿を企画し(例えば春休みに三田で行う等)，活動を補完することとします。
⑦ プロジェクト計画書の作成は，具体的に，これまでの履修内容や参照してきた文献などを挙げながら，これまで何に関心をもってきたのかを示していただき，３，４年次の履修計画を考えてもらうことにします。３年生に進級する前（春休み）には，どういう計画で研究を進め，どういう科目を履修していくのか，具体的に考えてもらうことにします。
⑧ 3年生に進級する前の春休みというのは，特にゼミ活動に関連するその後の履修計画を立案する際に非常に重要となります。3年生の春学期に履修登録をしてしまうと秋学期までの履修を縛ることになります。研究をするにあたり，例えば動機づけの研究をしたいのであれば，教育学専攻で開講されるような講義を早めに履修すべきだし，記憶や感情にかかわる研究をするなら，心理学専攻で開講されている専門科目を履修することが望ましい場合が出てきます。入ゼミの課題で提出する研究プロジェクトの作成においても，可能な範囲でこうした点を予め考えておくようにしてください。
⑨ その他，最新情報を杉浦の個人HPでお知らせしていくので，適宜参照してください。
以上