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2014/2/19 update

【杉浦淳吉研究会入ゼミ案内2014】ゲーミング・シミュレーションによる社会心理現象の理解と課題解決

杉浦淳吉

このページは，2014年度のゼミ案内（慶應義塾大学文学部社会学専攻）として作成しています。
このページは文学部のページからリンクされていますが，杉浦個人が開設しているページで大学のサイトではありません。

お知らせ

2014年度は12名の新ゼミ生が2013年12月末までに内定しています。募集の経緯については以下の「過去のお知らせ」をご覧ください。(2014/2/19)

過去のお知らせ

2013年度の案内

研究の概要

社会心理学をベースに、消費生活、環境問題、健康など私たちを取り巻くリスクに注目し、課題の発見や解決を目指すコミュニケーションを探求します。手法としてゲーミング・シミュレーションを用います。簡単にいえば、ゲームを使って行う研究や教育の方法です。どのようなゲームも、そのルールや内容は現実社会の比喩であるといえます。

ゲームをプレイすることで、私たちは知らず知らずのうちに、社会の仕組みを経験し学んでいるのです。例えば、「ダウト」というトランプのゲームがあります。このゲームには「他者を疑わないと自分が負けてしまう」，「他者を疑うにもリスクを伴う」といった要素が含まれています。他者の表情やしぐさをよく観察し、手札の枚数から「うそをつかなくてはならないような状況か」を予想することもできます。このダウトをごみの不法投棄に喩えた「廃棄物ゲーム」では、不法投棄の防止を目指した監視と罰則の制度を導入し、その効果が検討されています。

ここで想定しているのは、カードゲームやボードゲームなどのアナログゲームであり、実際に人と人が向き合ってプレイするゲームです。既存のゲームを活用したり、ゲームのコンテンツを入れ替えたりルールを改良したりして、それぞれの関心について探求します。もちろん、オリジナルのゲームを作ることもできます。これまで社会心理学にかかわるゲームをいくつも開発し、それをもとに環境配慮行動の普及をはじめ，リスク・コミュニケケーションについて研究してきています。大学の講義でも，数名から100名以上でできるものまで，様々なゲームを活用しています。ゲームの開発にあたっては、特にドイツのボードゲームを数百は保有し、それを参考にしています。「こんなルールがあるのか」と驚くこともあります。

環境政策ゲーム『キープクール』

特に，説得，交渉，合意形成といったことに関心をもち，研究を進めています（例えば，説得納得ゲームによる研究）。運に頼ったゲーム（つまり確率によって意思決定が左右されるようなゲーム）よりは，実際にコミュニケーションを行い，それをもとに意思決定を行うものを重視しています。最近話題になっている「討論型世論調査」など，政策決定にかかわる参加型会議もルールを決めて討論を行うという点でゲームとの共通点があります。ゲームもそうですが，参加型会議もドイツでは独自の方法が開発され実践されています。ゲームを実際にやってみながら，それぞれの関心を共有して，それを形にしていきたいと考えています。

ゲーミング・シミュレーションにより社会をモデル化して考える

「人々の意識と行動の関係はどのようなものであろうか？」
「集団や社会の中で個人は何を考え，どのように行動するのだろうか？」
「個人の行動の結果，集団や社会はどのように変化していくのだろうか？」

以上のような社会心理学的な視座のもと，「ゲーミング・シミュレーション」（以下，「ゲーミング」）を手法として，日常世界における関心事の構造を解き明かしていきます。社会心理学的現象の中でも説得的コミュニケーション，交渉，合意形成という観点から，生活環境，消費行動，食と健康，コミュニケーションなど，種々のリスクに配慮した社会生活の理解・デザイン・実践とそのためのコミュニケーションについて考察しています。

ゲーミング・シミュレーションは，現実世界を模した状況設定のもとで，複数の人々（プレーヤ）がそれぞれの目標を達成するために競争したり協同したりする活動ととらえることができます。ゲーミングは，社会現象のモデルであるといえます。ゲームに参加することで，そのプレーヤはゲームが表す現象の構造を理解することができます。現象の理解は，言い換えれば対象についての「学び」であり，ゲーミングは広い意味での学びの手段ということになります。

あくまで「手段」でありますが，手段そのものについての研究も積極的に行っていきたいと思っています。

ゲームで表された世界とは？

ゲーミングでは，複雑な構造をもつ社会や個人間のプロセスをモデル化して表現し，ゲームを構成するモノやルールの制約の中でプレーヤが行動します。ここで取り扱う「ゲーム」は現実のミニチュアではなく，現実の要素を抽出して構成されたモデルであり，プレーヤは現実の制約から解放されゲームの中で世界観を獲得していくことになります。

それでは，ゲームの世界は現実と切り離された特殊な空間なのでしょうか。ゲームにおいてもそこに参加する人々が行動を繰り広げるという点で一つの世界といえます。つまり，現実とは異なる世界を意図的に設定することで，現実とは何であるかを認識できる世界です。

以上のような発想をもとに，本研究室では，個々の参加者の経験に基づいて考え，それを共有し，新たな知識を生成できるような場として機能するゲームの開発や実践を行っています。ゲームは「楽しみながら学べる」といったユーザーフレンドリーな側面が強調されがちですが，それが全てではありません。むしろ，「ゲームでしか学べない」ことがあるというべきなのです。

また，ここで取り上げるゲームは，いわゆるデジタルゲームではなく，人々が対面的にコミュニケーションできるアナログゲームを想定しています。アナログゲームのメリットは数々ありますが，その一つは参加者がそれぞれの経験をもとにゲームをつくることができる点にあります。ゲームをつくれば，そのゲームを別の人が遊ぶこともできます。見方をかえれば，ゲームのルールや内容をつくるということは，そこに居合わせない第三者が遊ぶことを想定することに他なりません。こうしたことから，空間や時間を超えた協働の知を生成していく可能性をもっているといえるでしょう。

コミュニケーション環境のデザイン

実際のコミュニケーション・プロセス（ワークショップ，会議，社会調査など）をゲーム化することで，その現場に居合わせなかった人々に対して，その現場で起こったコミュニケーションを再現し，追体験的することで，時間と空間を超えて，当該の課題について共有したり解決方法を探ったりすることができます。

社会心理学概論Ⅱでも取り上げたクロスロードの神戸編は，阪神淡路大震災に関する当事者の語り（ナラティヴ）をもとにゲーミングが構成されています。これはまさに，上記のコンテンツの作成プロセスとゲーミングとして第3者が問題を共有し，発展させる好例といえます。クロスロード神戸編を体験することは，クロスロードのオリジナル問題の作成にも貢献します（杉浦, 2012, 『暮らしの中の社会心理学』）。大学生が考えたクロスロードの新作問題がクロスロード新聞に取り上げられていますが，大学生が考えた問題が別の問題への貢献につながる可能性をもっているともいえます。

オリジナルゲームとして展開している「説得納得ゲーム」や「ステークホルダーズ」も，名古屋の環境問題（循環型社会づくり）に関して，実際に行われたワークショップや参加型会議が元となってつくられています。ゲームはワークショップの道具としての役割もありますが，ワークショップや会議，さらにはインタビュー調査や社会調査の結果をわかりやすく再現し，その問題を多くの人が共有できるようにするメディアととらえることができるのです。　

研究方法

ゲーミングの開発　既存のゲームを使用して活用方法を工夫したり，オリジナルのゲームをつくったりと，研究のための道具をつくること(ルールを考案すること）が一つの成果になります。それ自体がコミュニケーション環境のデザインとして目的にもなります。

ゲーミングを使った研究　ゲームの内容を作成し，現実問題のモデルを作成することも，研究の一つになります。検討すべき社会のモデルをゲーミング・シミュレーションとして構成し，そのモデル（ゲーミング）を用いて，モデルの検証を行うことができます。方法は，実験，調査，観察，インタビューなど、社会心理学の研究法がそのまま使えます。

ダウトの例　冒頭の例でいえば，トランプの「ダウト」は，「他者を疑わないと自分が負けてしまう」というルールの本質に，ごみの不法投棄という内容(コンテンツ)を搭載して(社会心理学概論Ⅰでも取り上げた)『廃棄物ゲーム』が作成されている訳です。ここにより現実に根ざした「ごみの不法投棄」に関する知識の構造を搭載することもできますし，ごみ問題とは全く別の内容を考えてゲームに搭載することもできるのです。このように，同じ『ダウト』であっても，少しずつ内容を変えていくことで，設定は変わってきます。内容に応じてルールに変化が求められるのであれば，「人を疑うこと」が課題となる状況毎に，「人を疑うこと」の構造が異なっていることが発見できるかもしれないのです。シンプルなルールのゲームに，日常で「当たり前」と考えられるような内容を当てはめてみることで，今まで考えられていないような問題を発見し，それについて考察することも可能です。

研究の目指すところ

①コミュニケーション環境のプロデュース　ゲーミングが体験するプレーヤに与える効果の一つは，そのプレーヤのコミュニケーションのリテラシーを高めることですが，そうした「場」をどうつくり，どのようなれを研修のプログラムなどに活用するなど，コミュニケーション環境をどのようにデザインしたらよいか，それによってどのような効果が得られるのか，そうしたコミュニケーション環境の総合的なプロデュースにつながっていきます。

②問題構造の本質的理解　ゲームで表されているシナリオ(例えば「ダウト」における「廃棄物の不法投棄」は問題を分かりやすく示す手段であるが，そこでの本質は冒頭でも述べたように「疑わなくては負けてしまう，疑うにはコストがかかる」という問題構造である。問題構造が理解できれば，別の問題の理解にもつながるし，複数の問題の間の共通点や相違点を見抜くことになります。

ゲームでなくてはならないのか？

手段としてのゲーミング　ゲームをつくったり，活用方法を考えている訳ですが，その成果がすべてゲーミングの研究に結実すべきだとは考えていません。当然のことながら，ゲーミングは方法であり，メディアです。研究をしたり，何かを学ぶ際の手段であるゲーミングがそのまま成果につながることもあれば，最初はゲームを使って考えていたのだけれど，最終的にゲームを切り離して，研究のアイディアや成果が残ることもあると考えています。

ゲーミングへの貢献　ゲーミング研究がゲームだけから成り立つ訳ではありません。他のゲームとは関係のない多くの知見があってこその研究です。ゲームの研究ばかりフォローしていればよいのではないし，ゲームを使って考えることはあっても，研究がゲームである必要はない，ということはゼミの学生さん(あるいはゼミを希望する学生さん）にはいつも話していることです。何をゲームと呼ぶか，という言葉の問題もありますが，裾野は広く捉えておいた方がよいといえるでしょう。

社会心理学の研究方法を学ぶ　ゲーミングは現実のモデルを再現する手段です。「フィールドワーク」なら対象とする現場（フィールド）と，それを研究・分析する手段を学んでおかなくてはなりません。ここでは，実験法，調査法，インタビュー法，観察法といった社会心理学の研究方法や，その分析方法も扱っていきます。研究の方法については，以下の書籍を教科書として使用します。研究方法については，2013年度に杉浦が担当する「社会調査Ⅰ」「社会調査Ⅱ」においても解説します。
　教科書　『人間科学研究法ハンドブック』高橋ほか編著（2011）　ナカニシヤ出版

フィールドとしてのドイツ

環境問題への対処，参加型会議，そしてゲームの3つの観点からドイツに着目し，フィールドとして研究をしています。これまでのドイツでの研究活動については，ドイツ日記を参照下さい。　ドイツ日記のインデックスページ

扱っている主なゲーミング

オリジナル開発(既発表・ゼミ活動含む)

「説得納得ゲーム」(2000年)
説得と交渉　説得する側と説得される側に分かれ，相手を探して説得する。説得は販売・説明・インタビューなどに置き換え，環境，消費生活，防災など，様々なテーマにゲームを設定することが可能。

「ステークホルダーズ」(2008年)
利益・リスク分配の意思決定　集団で全員一致の意思決定により複数の選択肢の中から一つを選択する。選ばれた選択肢を個々の選好と照合することで決定に対する個人得点を計算可能にし，集団内での得点の散らばりにより集団意思決定の質について検討が可能となる。

「ICHIBA（市場)」(2005年)
意見の対比と同化　集団の中でペアをつくり，あるテーマに対する意見が同じか否かを比較し，同じであればグループとなり，異なれば再び別の個人・グループの意見と比較をしながらグループをつくっていく。一種の人間版「KJ法」であるが，KJ方と異なるのは，全体が俯瞰できず，個々のカード(プレーヤ）に意思決定の権限があるところである。

「料理名人」(2009年)
組合せの説得と合意形成　食材の組み合わせによりメニューを提案(説得)し，そのメニューの是非についてプレーヤ同士の合意形成により判定する。組み合わせに関する創造性について検討できる。

活用方法の開発

クロスロード
意見分布の推測　オリジナルは阪神淡路大震災の実話による他者の判断の推測を含めた意思決定のシミュレーションであるが，食の安全や感染症対策など，様々な分野のリスク・コミュニケーションツールとして活用が進んでいる。本研究室では特に日常生活をクロスロードにより考察する活用方法，および環境をテーマにしたクロスロード(グリーンコンシューマ編，循環型社会編)の開発や活用に力を入れている。

キープクール
利害交渉　地球温暖化をテーマに経済政策の国際間競争と協同をシミュレートしたボードゲーム。他国の動向を見抜き，いかに交渉を進めるかが勝負の鍵を握る。ドイツで2004年に開発された。

商用ボードゲーム・カードゲームの活用
商用ゲームの学習・研究利用について検討している。教育におけるゲーム利用研究会を組織し，吉川肇子先生(慶應義塾大学商学部教授)と共同で研究を進めている。

講義での活用

廃棄物ゲーム　(社会心理学概論Ⅰで実施)
冒頭でも紹介した，トランプのダウトを改訂し，社会的ジレンマ（二次的ジレンマ）の要素を取り入れたゲーム。監視の費用や罰則の金額を操作することで，その効果を実験的に検討することができる。

階層間移動ゲーム　(社会心理学概論Ⅰで実施)
トランプを用いてカードの交換により資産を増やすゲーム。得点により3つの階層に分かれ，それぞれの階層を表す色のバッジをつける。階層内でボーナスカードの分配方法を話し合ったり，社会のルール改正について話し合ったりすることで，階層にかかわる意識と行動を体験することができる。

NASA　(社会心理学概論Ⅰで実施)
プレーヤ個人とグループ討論とで課題を解き，専門家が考える「正解」にどれだけ近づけたかを数量化することで，個人の得点分布とグループの得点を比較することで，集団意思決定のメリット・デメリットを検討することができる。『クロスロード・ネクスト』では，バリエーションの１つである「防災ダズン」が紹介されている。

情報あわせ
プレーヤ個々のもつ情報をグループでつなぎあわせ，全体で解答を発見する。『リスク・コミュニケーション・トレーニング』には「わいわいホーム食中毒事件」が収録されている。

人生すごろく　(社会心理学概論Ⅱで実施予定)
吉川肇子により開発されたライフストーリーをフローチャート化（すごろく）するゲーム（吉川, 2009, JASAG学会誌）。集団で作成する短時間で行うバージョンではプレーヤ同士の経験を相互に肯定的に捉える効果などが期待できる。『暮らしの中の社会心理学』で実施方法が紹介されている。

ゲーミングに関する主な研究成果

著書

『大学生のリスク・マネジメント』　吉川肇子・杉浦淳吉・西田公昭(編著)，2013 ナカニシヤ出版
　　各章に簡単なエクササイズを紹介しています。ゲーミングが多様されています。

『暮らしの中の社会心理学』　安藤香織・杉浦淳吉(編著), 2012 ナカニシヤ出版
　　各章に「エクササイズ」を配置し，テーマに応じたゲーミングを紹介。2013年度「社会心理学概論」の教科書に指定。

『クロスロード・ネクスト　続：ゲームで学ぶリスク・コミュニケーション』　吉川肇子・矢守克也・杉浦淳吉共著, 2009, ナカニシヤ出版
　　クロスロードの活用方法

『リスク・コミュニケーション・トレーニング　ゲーミングによる体験型研修のススメ』 吉川肇子(編著), 2012, 分担執筆　第2章「説得的コミュニケーションの理論」，第8章「教材の評価」　ナカニシヤ出版
　　研修へのゲーミングの活用。2013年度「社会心理学特殊Ⅴ，Ⅵ」の教科書として指定。

『未来へつなぐたからもの　持続可能な社会を考える』, 2012, 分担執筆　「環境配慮行動の普及と合意形成」(Pp.183-195) 風媒社
　　環境行動についての講演録。説得納得ゲームとステークホルダーズを紹介。

『展望現代の社会心理学３　社会と個人のダイナミクス』 唐沢　穣・村本由紀子(編著）, 2011, 分担執筆　第11章　「環境問題と行動」(Pp.208-224)　誠信書房
　　「説得納得ゲーム」，「クロスロード」は環境行動研究にどう位置づけられるか？

『仮想世界ゲームから社会心理学を学ぶ』　広瀬幸雄(編著)，2011，分担執筆　第4章「リスク認知とリスクコミュニケーション：さまざまなリスクにどう対処すればいいのか」　(Pp.55-66) ナカニシヤ出版
　　仮想世界ゲームでリスク認知とリスクコミュニケーションを検討。

『朝倉心理学講座１　心理学方法論』渡邊芳之(編著), 2007, 分担執筆,　第8章「環境問題へのゲーミングの導入」(Pp.160-177), 朝倉書店
　　環境行動研究にゲーミングをどう活用するか。主に説得納得ゲームについて。

『質的心理学の方法－語りをきく－』やまだようこ（編著）, 2007, 分担執筆, 第18章「ゲーミングによる協働知の生成」(Pp.170-181), 新曜社.
　　協働で知識生産を試みるゲーミングの実際。アンゲーム，人生すごろく，クロスロード，説得納得ゲームを紹介

『シミュレーション世界の社会心理学－ゲームで解く葛藤と共存－』広瀬幸雄(編著)，1997，分担執筆，ゲームコラム４「クイズゲームによる帰属錯誤」,pp.69-71，ゲームコラム７「SIMSOCにおける戦争と平和のリーダーシップ」,Pp.120-122)，ナカニシヤ出版．
　　社会心理学の研究とゲーミングとのつながりを考える。階層間移動ゲームも収録されています。

論文

杉浦淳吉・本巣芽美 2013 説得における役割演技の効果－日独における説得納得ゲームによる実践的検討－ 説得交渉学研究, 5 (印刷中).

杉浦淳吉・生駒麻子 2012 説得納得ゲームによる他者行動への注目から行動変容への過程の学習　愛知教育大学研究報告, 61(教育科学編)

本巣芽美・杉浦淳吉・荒川忠一 2011 説得納得ゲームを用いた風力発電の科学技術コミュニケーション?風力発電による便益と問題点の双方の理解をめざして?　シミュレーション＆ゲーミング,21(2), 105-114.

本巣芽美・杉浦淳吉・加藤太一・古賀誉章・荒川忠一 2009　市街地における小型風車の社会的受容－説得納得ゲームによる検討－　シミュレーション＆ゲーミング, 19(2) 135-144.

杉浦淳吉 2009 説得納得ゲームによる経験の提示とその多様性の共有 愛知教育大学研究報告, 58(教育科学編), 217-225.

杉浦淳吉・吉川肇子　2009　環境政策ゲーム「キープクール」の教育への導入とその評価：ゲーム実施者とプレーヤ双方の観点から　シミュレーション＆ゲーミング, 19(1), 87-99.

杉浦淳吉 2008 集団決定場面における個人選好の反映を可視化するシステム開発の試み－自律した食品選択支援の観点から　－愛知教育大学家政教育講座研究紀要, 37, 1-14.　（ステークホルダーズ）

加藤太一・杉浦淳吉・飯田誠・荒川忠一　 2008　 プレーヤー間相互作用モデル化のための会話分析手法の構築―環境政策ゲーム「KEEP COOL」を対象として―　デジタルゲーム学研究, 2(1),56-66.

杉浦淳吉 2007 説得納得ゲームを用いた悪質商法に関する学習教材の開発　消費者教育, 27, 113-122.

杉浦淳吉 2006 意見対照ゲーム"ICHIBA"の開発　シミュレーション＆ゲーミング, 16(2), 105-115.

杉浦淳吉・吉川肇子・鈴木あい子 2006 交渉ゲームとしての『SNG(説得納得ゲーム)：販売編』の開発　シミュレーション＆ゲーミング, 16(1), 37-49.

杉浦淳吉 2005 説得納得ゲームによる環境教育と転用可能性，心理学評論, Vol.48, No.1, 139-154.

Hirose, Y. Sugiura, J., Shimomoto, K. 2004 Simulation game of industrial wastes management and its educational effect. Jounral of Material Cycles and Waste Management, Vol .6, No.1, 58-63.

杉浦淳吉 2003 環境教育ツールとしての「説得納得ゲーム」－開発・実践・改良プロセスの検討－，シミュレーション＆ゲーミング，13(1)，3-13．(日本シミュレーション＆ゲーミング学会・論文賞受賞）

杉浦淳吉・広瀬幸雄 1998 廃棄物処理における監視と罰則のジレンマを理解するための廃棄物ゲーム，シミュレーション＆ゲーミング，8(1)，51-56．

広瀬幸雄・杉浦淳吉 1997 環境教育のカリキュラムとしての模擬社会環境ゲームの開発，シミュレーション＆ゲーミング，7(1)，7-16．

過去のお知らせ

二次募集について

すでにお知らせしてありますように，二次募集を行います。応募の意思のある方は杉浦までまずメールでご連絡いただき，12月20日までに1次募集と同じ課題を杉浦までメール添付で提出してください。募集人数は若干名です。提出された書類をもとに選考を行い，それに通過された方には面接を行います。面接については直接ご連絡します。面接は12月24日(火)12:20-12:50の間を予定しています。なお当ゼミに関する質問等は直接杉浦まで遠慮無く尋ねてください。(2013/12/13)

希望される方へのメッセージ（補足）

本ページや説明会ですでにお伝えしていることもあるのですが，2点ほど補足しておきます。（2013/11/21)

社会学専攻における社会心理学　本研究会は社会心理学のゼミですが，それ以前に「社会学専攻」のゼミの１つです。社会心理学を学ぶにあたっては，心理学そのものに軸足をおきながら進めていくのが1つの方法ですが（文学部の心理学専攻に社会心理学のゼミがおかれているようなイメージ），社会学専攻では社会学と文化人類学をあわせて学ぶカリキュラムになっています。言い換えれば，心理学的なバックグラウンドはカリキュラム上やや手薄ではあるのですが，社会学や文化人類学を専門的に学びながら社会心理学を学ぶということのメリットも大きいのです。そういう意味で，社会に関していかなる課題（問題）を発見し，その問題構造をモデル化し，課題解決を目指すということに力点をおいたゼミにしていきたいと考えています。

社会への参加　ゲーミングは社会と切り離されたルールによって記述される世界ということもできますが，むしろそれをツールとして社会に積極的にかかわっていくということを進めていきたいと考えています。これまで開発してきたゲーミングは，学校教育や企業活動，リスクや危機にかかわる機関など様々な場面で活用されてきています。また，一部の講義でもお伝えしているところですが，多様な市民が参加してより良い社会づくりにかかわっていく参加型会議というのも一種のゲーミングと捉えることもできるのです。積極的に社会とかかわりながら，これまでの社会心理学の枠を広げていけるような，そんな研究を進めていきたいと思います。

ゼミに関して質問などがあれば，遠慮なくメール，あるいは直接お尋ねください。研究計画書についての相談も受け付けます。最終的に締切までに完成版を出してもらえればよいので，途中の段階でも紹介いただければフィードバックします。

最後に，皆さんそれぞれの興味・関心を大事にしてください。それをこの研究会にもちよったら何ができるか，そんなことを研究計画書に書いていただけたらと思っています。

面接と二次募集について

応募された方に対して面接を行い，応募者全員がゼミメンバーとなることが合意されました。(2013/12/13)

二次募集を行います。募集人員は若干名です。他ゼミの1次募集の人員が決定される12月20日(金)頃までに課題を案内します。(2013/12/9)

面接の時間について，おおよその時間帯をお知らせします。個々の時間について，決まりましたら直接連絡します。また，3限と4限の間，および4限と5限の間の時間帯~~(仮)~~に2次募集（第二希望等)に向けての事前相談会を開きます（2次募集の選考には関係しません）。どうぞご自由にお越し下さい。(2013/12/5)
時間を設定しました。個別にも連絡していますが，以下の時間帯に実施します。その他，ゼミに関する相談は上記のとおり，各時限の間の時間帯に対応します。(2013/12/9)

3限　整理番号01, 02, 04, 06 13:30-14:30
4限　整理番号03, 05, 07, 09 15:00-16:00
5限　整理番号08 16:30-16:50

面接について，以下の日時・会場と内容で実施します。(2013/11/20)

12月11日(水)　13:00から17:00までの間　南校舎７階　476教室

面接の時間については，研究計画書をお送りいただいたメールの返信で連絡する予定です。一人あたり5～10分程度を考えていますが，応募者の人数により調整を行います。1時間単位で集合していただき，全体での質疑と個々の面談のいづれかまたは両方を行います（人数によります）。この時間帯に講義のある方は，研究計画書の送付の際にメール本文にその時間帯を明記してください。

内容についてですが，ゼミの内容，および研究計画書の内容に関する質疑を行います。

応募が定員(12名)に満たなかった場合は，上記会場・時間内において二次募集の説明会を行います。このことについては，応募人数が判明し次第，本ページにてお知らせします。(2013/11/20)

研究計画書の提出について

11月5日の社会学専攻主催の説明会の時にお知らせしました入ゼミに関する研究計画書について，提出方法等をお知らせします。（2013/11/11)

本ホームページの情報，11月5日の説明会での説明内容，オープンゼミの情報，杉浦の担当講義（社会心理学概論Ⅰ・Ⅱ，社会調査Ⅰ・Ⅱ）などの情報をもとに，各自でゼミでの研究計画書を作成し，12月5日（木）正午までにメールに添付して杉浦まで送ってください。MS-WordまたはPDFファイルでA4版で作成のこと。表紙は不要，複数ページの場合はページ番号を振ること。

研究計画書の構成や分量は自由としますが，以下の3点を含んだものとしてください。
1　どのようなことに関心をもち，なぜ志望するか。
2　ゼミでどのような活動を行っていきたいか。
3　その他，自己紹介や自己アピールなど。

研究計画については面接で質疑の機会を設けます（面接については追って連絡します）。募集人員は12名ですが，もし希望者がそれを超過するようなことがあれば，研究計画とその質疑による選考を行います。評価の基準は，研究計画の内容について，当研究会で取り組んでいくのに相応しいかどうかを主眼とします。ただ，これはお伝えするのが難しいのですが，当研究会は来年度が新設2年目で新たなことにチャレンジしていくべき段階であり，新たな可能性を提案していただければと考えています。もちろん，本ページに記されていることが前提となります。何が「相応しい」か，それこそがゼミでの活動内容ということなのです。

どのようなことが研究会でできそうかどうかは，オープンゼミなどで直接尋ねていただくか，メールでの相談にも応じますので，遠慮なくお尋ねください。他を考えていただいた方がよい，というような場合も中にはあるかと思いますので，特にそういう場合には早めにお伝えした方がよいかと思っています。

なお，説明会の時に申し上げたことを繰り返しますが，メンバー同士で協力しあいながらそれぞれの研究を高め，新しいことを創造していくことに力点をおいてゼミ運営を進めていきたいと考えています。その点，ご留意いただけますと幸いです。

以上。

入ゼミ説明会では本ページで説明していないことも含めてお話をしましたが，いくつか補足をしておきます。ゼミは火曜日の４・５限の予定です。研究計画のレポートを提出していただくといいましたが，自己紹介も含めてどんなことをゼミでしていきたいかを書いてください。基本的にはA4版で作成して12月5日(木)までにメールに添付ファイルをつけて送ってください。他に質問があれば遠慮なく，早めにメールなどでご連絡ください。そうそう，今年度バレーボール大会で準優勝でしたので，来年は優勝できたらいいなぁと思っています。(2013/11/5，編集済み)

オープンゼミは以下の要領で開催することになっています。現在，3年ゼミでどんな内容にするか検討しています。(2013/10/23)

　11月12日(火)　4限　西校舎525-B教室
　11月26日(火)　4限　西校舎525-B教室

入ゼミを希望される方には，どんな研究を行っていきたいかのレポートを事前に提出していただいた上で，面談を行って決定する予定です。募集人数は12名程度です。詳細は追ってこのページでお知らせします。質問があれば遠慮なく杉浦までメールで問い合わせてください。メールアドレスは社会心理学概論，社会調査の講義資料の中で案内していますので，参照してください。(2013/10/11)

本ページを作成しました。今後，入ゼミに関するお知らせを掲載していきます。以下，昨年度の案内を掲載しています。基本的な方針は変わりませんが，少しずつアップデートしていく予定です。(2013/10/11)